ワイモバイルを検討している人にとって通信速度は気になるところ。持ち運びできる便利なモバイルルーターと言っても速度が出ないと使いにくいですよね。そしてもう一つ気になるのが、最近よく聞く速度制限。解除する方法はあるのか? その辺についても解説していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
ワイモバイルの通信速度について
ワイモバイルではルーターによって最大通信速度が異なります。現在ワイモバイルで発売されている機種で最大通信速度の数値が最も大きいのは『Pocket WiFi 603HW』です。こちら最大612Mbpsとなっています。
画像引用:Y! mobile公式サイト
Y!mobile最大通信速度 |
|
---|---|
下り |
上り |
612Mbps |
37.5Mbps |
このPocket WiFi 603HW以外の機種では最大112.5Mbpsや110Mbpsとなっているなど差があります。
他社のモバイルルーターの速度と比較!
他社のモバイルルーターと比較してワイモバイルは速いのか、ここでは各モバイルルーターの最大通信速度を表にしたのでまずは見てください。
最大通信速度比較 |
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---|---|---|
Y!mobile |
WiMAX |
docomoWiFi |
612Mbps |
708Mbps |
788Mbps |
他社だとdocomo WiFiが788Mbpsとなっていて、現状最大通信速度の数値が大きいです。数値でいうとワイモバイルは他社より小さいですね。
最大通信速度は実効速度ではない
最大通信速度の値は大きい方がいいのでは? 多くの人がそう考えるかもしれません。でも決してそうとは言えないのです。というのも最大通信速度とは理論上はそのくらいの速度がでるが、保証するものではない、ということなので。
よく最大○○Mbpsや最大○○Gbpsのように表示されていますよね。これらは必ずこの値の速度が出るというわけではありません。あくまで理論上の数値。最大限の努力はするよ、でも実際はわからないよ、ということです。これをベストエフォート型の通信と呼びます。
一方ベストエフォート型の反対は、ギャランティ型です。これは一定の速度を保証するというもの。ベストエフォート型が複数人で回線の帯域を使うのに対し、ギャランティ型は一人のユーザーが使います。
つまり一人のユーザーが帯域を丸々使うなら速度は出ますが、複数人で使うと通信速度が出ないことがあるのです。ならギャランティ型の方がよさそうですが、通常のインターネット料金よりはるかに高額となるのがネックです。
ワイモバイルもWiMAXもdocomo WiFiも光回線であるフレッツ光もベストエフォート型です。必ず最大速度が出るわけではないということを抑えておいてください。
ワイモバイルの速度制限とは?
速度制限とは一定期間で指定の通信料を超えた場合、速度が低下するというもの。これはワイモバイルに限らずWiMAX・docomo WiFiや、格安SIMでもあるものです。
ワイモバイルでは1GB・3GB・7GBとプランがあります。これらの数値を超えた場合に速度制限がかかります。
速度制限がかかると最大通信速度は128kbpsに落ちます。
128kbpsとはどれほどの速度なのかというと、ほぼYouTube動画の視聴はできません。画質を最低にして試してみると一応は見ることができますが、タイムアウトになることもしばしば・・・
SkypeやLINE通話でビデオを使うと画質は荒い上にノイズが入ることもあります。
速度制限の条件について
ワイモバイルの速度制限の条件は、一ヶ月間で指定の通信料を超えた場合です。
【対象プランと通信料】
プラン |
通信料 |
---|---|
スマホプランS |
1GB |
スマホプランM |
3GB |
スマホプランL |
7GB |
ケータイプランSS |
2.5GB |
ケータイプランS |
1GB |
ケータイプランL |
7GB |
Pocket WiFiプラン2 |
7GB |
Pocket WiFiプランSS |
5GB |
Pocket WiFiプランS |
7GB |
Pocket WiFiプランL |
7GB |
Pocket WiFiプラン |
7GB |
Pocket WiFiプラン+ |
7GB |
一ヶ月のうちで指定の通信量を超えると、その月の月末まで速度制限がかかり最大速度は128kbpsとなります。
他社だと3日間で何GB以上使うと速度制限がかかるというルールがありますが、ワイモバイルにはありません。
速度制限を解除するには?
最大7GBまでの通信料となっているワイモバイル。7GBという数値は大きいように思いますか? でも実際はそれほど多いとは言えません。
7GBでできること
以下はソフトバンクの公式サイトに記載されている内容です。
画像引用:SOFTBANK公式サイト
気になるのが一日の動画視聴時間。普段YouTubeなどの動画を頻繁に視聴する人だと厳しい感じです。
そこでワイモバイルでは、制限を解除する方法が設けられています。それは500円につき500MB通信料が追加できるのです。似たようなことは格安SIMの楽天モバイルなどでもあります。楽天モバイルだと300円を支払うことで100MB通信料を追加できます。
さらにはDMM mobileのように480円で1GBの通信量を追加できるところも。
データ容量2倍オプションを利用するのもあり
月額500円支払うことで通常の1GB・3GB・7GBの通信料が2倍の2GB・6GB・14GBで利用できるオプション。普段から速度制限を受ける人は加入しておけば安心です。
快適モードに加入するのもあり
快適モードは規定の通信料に達すると自動で500MBチャージされる仕組み。とはいえ500MBにつき500円なので使えば使うだけお金がかかります。通信料はよく確認しておかなければいけません。
パケットマイレージも利用できる
Yahoo!にログインしたり商品を購入することでマイレージが溜まります。ある程度溜まると通信料が無料でもらえるという仕組みです。
Yahoo!をよく利用する人にとっては便利なサービスと言えるでしょう。
ワイモバイルと格安SIMの速度制限を比較
最近格安SIMの人気が高まり使ってみようか検討している人も多いと思います。ただどちらもある期間で一定の通信料に達すると速度制限がかかります。それぞれ規制後の速度を比較してみたいと思います。
今回は格安SIMのIIJmioを例にワイモバイルと比較しました。
IIJmioの特徴はデータ容量の繰り越しができること。ひと月で使い切れなかった通信料を翌月に繰り越せるのです。
規制後の速度
ワイモバイル:128kbps
IIJmio:200kbps
若干IIJmioの方が速度は速いですね。またIIJmioでは『バースト転送』といって、初速のみ高速で読み込む機能があるので、ウェブページによっては快適に読み込むことができます。これはワイモバイルより勝るポイントです。
速度でおすすめのモバイルルーターは?
通信速度・速度制限で使いやすいモバイルルーターはワイモバイルではなくWiMAXです。なぜWiMAXが便利なのか、その理由をまとめました。
月間無制限プランがある
ワイモバイルでは月間最大7GBを超えると速度制限がかかりますが、WiMAXにはギガ放題プランというのがあります。これはひと月の通信量が決められていません。
とはいえ代わりにWiMAXでは3日間で10GBの通信料制限が設けられています。この3日間で10GBに達すると10GBに達した翌日の18時から翌日の2時までの間速度制限がかかり、最大速度は1Mbpsとなります。
でもワイモバイルと比べると条件が緩いと思いませんか? ワイモバイルだとひと月で7GBですがWiMAXなら3日で10GBです。しかも規制される時間は8時間だけ。その時間をすぎればカウントはリセットされ、また3日で10GBとなります。
規制後の速度も1Mbpsとワイモバイルの128kbpsと比べると速いです。1Mbps出ればYouTubeの標準画質動画を視聴できます。
実はワイモバイルでも使い放題オプションがある!?
アドバンスモードが利用できるアドバンスオプションに加入すると、WiMAXのギガ放題のように月間無制限で通信ができるようになります。
オプション料金は月額684円です。
このアドバンスモードは通常の回線とは別のAXGP回線を使うのですが、そのことでデメリットもあるのです。
まずはワイモバイルの通常の回線(LTE)やWiMAXなどと比べて利用可能エリアが狭いこと。都市部は比較的カバーしていますが、地方だと圏外の場所が多い。また最大通信速度が187.5Mbpsということ。ベストエフォートなので当然実際の速度はもっと下がります。
これらのことから使い放題といっても、アドバンスモードはあまりおすすめできません。
WiMAXなら都市部はもちろん地方でもカバーしています。人口カバー率90%です。最大速度も上の方でお伝えしたように、708Mbpsと速いです。